黒い花びら

2015.01.20


1月20日

海外ロケの長時間移動用に文庫本を数冊購入
あれもこれもと色々なジャンルのものを揃えるも結局全部は
読めずじまいになってしまう。
長時間飛行移動と云っても、大抵は離陸後ちょっとすると
食事になり調子こいてワインなんぞを白・赤両方いって
しまったり、映画を見ながらウトウトしてしまい、
巻き戻してはほぼ同じ所で睡魔に襲われてしまったりする。

それでも大好きな伊集院さんのエッセイを一冊と
伊坂幸太郎さんを一冊読破!
どちらも面白かった、スイッチが入ってしまえば一気に
最後までいけるのだ。

そして、帰りの飛行機で途中まで読んだ「黒い花びら」を
先日読み終える。
これは面白かった、著者の松村友視さんの“視点”から見た
天才歌手“水原弘”さんの伝記小説。
昭和34年第一回レコード大賞受賞曲、作詞・永六輔
作曲・中村八大の「黒い花びら」がデビュー曲という
もうここからすでに“破天荒”そのものです。
一気にスターダムへ、そして豪遊しながらあびるほど酒を飲み
体を壊し借金地獄へ。
鳴かず飛ばずの時期を何年も過ごした後、昭和41年
“伝説のレコーディング”にて完成した「君こそわが命」にて
奇跡のカムバックを果たす。
しかし最終的にはまた酒で体を壊し、1978年07月05日、
肝硬変のため42歳で死去。
天才の名を欲しいままにした不世出の歌手の
華やかで悲しい物語である。

俺自身も「黒い花びら」と「君こそわが命」はもちろん知っていたが
これほどまでに“ドラマ”があったとは知らなかった。
胸にズシンと来た一冊でした。

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