サウンズ・グッド!

2020.06.29


6月29日

80年代後半、初のニューヨーク・レコーディング。
ドライヴの効いたナンバーのヴォーカル・ダビング(歌入れ)の
時だった。
やはり使い慣れた日本のスタジオと勝手が違って、
少々戸惑いながらの作業だった。
それでも自分なりにはかなりの手応えを感じ、
歌い終えたスタジオから、コンソール(調整ルーム)へ。
そこで、あらためてオケに乗せたヴォーカルを
大音量でチェックする。
“お〜〜〜良いじゃねえか!!!”
大満足で、アメリカ人のディレクターに感想を聞く。
すると「サウンズ・グッド」と答えが返ってきた。
おいおい何だよ・・
サウンズってことは演奏は良いってことか?
じゃ歌はどうなんだよってムッとしてしまった。
するとすかさず通訳の人が「違いますよ大友さん、サウンズ・グッド
というのは演奏も歌も最高に良いってことですよ」。
なんだそうかと一安心ってところでした。

話は変わって、待ちに待ったプロ野球が無観客試合ではあるが
やっとシーズンインとなった。
大歓声もない、管楽器や打楽器の応援もない、ビールの売り子の
黄色い声もない、それでも普通のゲームではなかなか聞くことが
出来なかった音に出会う!
豪速球がキャッチャーミットに吸い込まれた瞬間“スパーン”と
小気味良い音が響く。
アンパイヤの声がスタンドまで届く、特にストライクのコールは
スカッとするぜ。
そして、スラッガーたちの打球音!
まさに“カキ〜〜ン”なのだ。
ピッチャーが打ち取った時の打球音は“グシャ”と鈍い音がする。
両軍ダッグアウトからは、自軍選手への声援、ピッチャーへのヤジ、
ファインプレー時の拍手、まるで自分もそのグラウンドに
立っているような気持ちにさせられる。
ワクワクが止まらない!
まさに“サウンズ・グッド”そのものなのだ。

RSS

Recent Entries

Archives